脚本⇒ ジョージ・A・ロメロ
製作⇒ マーク・キャントン、バーニー・ゴールドマン、ピーター・グルンウォルド
製作総指揮⇒ スティーヴ・バーネット、デニス・E・ジョーンズ
出演者⇒ サイモン・ベイカー、ジョン・レグイザモ、デニス・ホッパー、アーシア・アルジェント、ロバート・ジョイ、ユージン・クラーク
公開⇒2005年
アメリカ映画
ゾンビ映画の創始者とされるジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』と『死霊のえじき』はあまり面白くなかったと、
以前の記事に書きましたが、そのロメロ監督の作品の中でも、私が面白かったと思える作品もあります。
それが今回紹介する『ランド・オブ・ザ・デッド』です。
近未来、ゾンビが地球上に蔓延するようになった世界で、
生き残った人間が高層ビルに暮らす富裕層とスラムに住む貧民に別れて暮らしている中で、
富裕層の権力者に歯向かう人間と、知性を持ったゾンビに率いられたゾンビの群れによって
富裕層の人間社会が崩壊に向うという内容の映画ですが、
この作品はロメロ監督のゾンビ映画の中では他の作品よりもエンタメ性が強いのでそこが面白いところでした。
また、他の作品には私の知らない俳優ばかり出ていたのが、
本作品にはジョン・レグイザモやデニス・ホッパーという知っている俳優が出ているということもあります。
ロメロ監督のゾンビ映画なので出てくるゾンビはノロノロ歩くゾンビなんですが、
ゾンビの恐怖というよりも、金網の中で女囚人とゾンビを戦わして賭け勝負の見世物にしている場面や
ゾンビ狩りをしていく傭兵部隊の特殊な装甲車など、
先にも書いたようにエンタメ性の強い内容で面白く見ることができました。
それともう1つ目新しいのがゾンビの中に自我に目覚めたゾンビが現われるというところで、
ゾンビの動きは遅いんですが、知性を持つようになってリーダー的存在になっていくところが
ロメロ監督の新しいゾンビの造形だと思います。
エンタメ性が強い作品ですが、それでもロメロ監督らしく、
富裕層の権力者という一握りの強者が多数の弱者を力で押さえ込もうとする覇権主義の姿を
批判的に描いているところが読み取れる作品になっていると思います。
評価 ★★★★
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