2024年07月26日

ランド・オブ・ザ・デッド

監督⇒ ジョージ・A・ロメロ

脚本⇒ ジョージ・A・ロメロ

製作⇒ マーク・キャントン、バーニー・ゴールドマン、ピーター・グルンウォルド

製作総指揮⇒ スティーヴ・バーネット、デニス・E・ジョーンズ

出演者⇒ サイモン・ベイカー、ジョン・レグイザモ、デニス・ホッパー、アーシア・アルジェント、ロバート・ジョイ、ユージン・クラーク




公開⇒2005年



アメリカ映画




ゾンビ映画の創始者とされるジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』と『死霊のえじき』はあまり面白くなかったと、
以前の記事に書きましたが、そのロメロ監督の作品の中でも、私が面白かったと思える作品もあります。
それが今回紹介する『ランド・オブ・ザ・デッド』です。



近未来、ゾンビが地球上に蔓延するようになった世界で、
生き残った人間が高層ビルに暮らす富裕層とスラムに住む貧民に別れて暮らしている中で、
富裕層の権力者に歯向かう人間と、知性を持ったゾンビに率いられたゾンビの群れによって
富裕層の人間社会が崩壊に向うという内容の映画ですが、
この作品はロメロ監督のゾンビ映画の中では他の作品よりもエンタメ性が強いのでそこが面白いところでした。

また、他の作品には私の知らない俳優ばかり出ていたのが、
本作品にはジョン・レグイザモやデニス・ホッパーという知っている俳優が出ているということもあります。


ロメロ監督のゾンビ映画なので出てくるゾンビはノロノロ歩くゾンビなんですが、
ゾンビの恐怖というよりも、金網の中で女囚人とゾンビを戦わして賭け勝負の見世物にしている場面や
ゾンビ狩りをしていく傭兵部隊の特殊な装甲車など、
先にも書いたようにエンタメ性の強い内容で面白く見ることができました。


それともう1つ目新しいのがゾンビの中に自我に目覚めたゾンビが現われるというところで、
ゾンビの動きは遅いんですが、知性を持つようになってリーダー的存在になっていくところが
ロメロ監督の新しいゾンビの造形だと思います。


エンタメ性が強い作品ですが、それでもロメロ監督らしく、
富裕層の権力者という一握りの強者が多数の弱者を力で押さえ込もうとする覇権主義の姿を
批判的に描いているところが読み取れる作品になっていると思います。




評価 ★★★★







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2024年07月18日

アイアムアヒーロー

監督⇒ 佐藤信介

脚本⇒ 野木亜紀子

原作⇒ 花沢健吾『アイアムアヒーロー』

製作⇒ 山ア倫明、城戸史朗

製作総指揮⇒ 山内章弘

出演者⇒ 大泉洋、有村架純、吉沢悠、岡田義徳、片瀬那奈、片桐仁、マキタスポーツ、塚地武雅、徳井優、長澤まさみ、風間トオル



公開⇒ 2016年



日本映画




今回は日本製のゾンビ映画『アイアムアヒーロー』を紹介します。
以前紹介した同じく日本製ゾンビ映画の『カメラを止めるな!』はひねった内容が面白い作品でしたが、
今回の『アイアムアヒーロー』は王道ゾンビ映画として面白い作品でした。



コミカルなところもありながら、ゾンビ映画としての恐怖感やホラー感もしっかりあって、
見応えある内容でした。


それに、ここに出てくるゾンビはすばやく動いて走るだけでなく、
ジャンプして巨大スーパーの屋上にまで到達してくるほど運動能力の高いゾンビもいて、
スリル感も期待以上にありましたね。



海外のゾンビ映画では人間側は銃で戦うというのが多いんですが、
日本では一般人は銃は所持できないので、戦うのも不利な環境ですが、
本作の主人公はたまたま狩猟免許と散弾銃を持っていたので、
銃で戦うことができるという設定になっているところが
話の展開を面白くしている要素でした。



また、主役の大泉洋さんのキャラが冴えない主人公設定に合っていて、
その冴えない主人公が最後に散弾銃でゾンビの大群と戦う場面は圧巻でした。




評価 ★★★★★









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2024年07月03日

ゾンビーワールドへようこそ

監督⇒ クリストファー・B・ランドン

脚本⇒ クリストファー・B・ランドン、キャリー・エヴァンス、望月絵美、ロナ・ウィリアムズ

製作 ⇒ トッド・ゲイナー、アンディ・フィックマン

出演者⇒ タイ・シェリダン、ローガン・ミラー、ジョーイ・モーガン、サラ・デュモン、デビッド・ケックナー、ハルストン・セイジ、パトリック・シュワルツェネッガー




公開⇒ 2015年



アメリカ映画




今回もゾンビ映画でいってみます。

今回は『ゾンビーワールドへようこそ』(原題『Scouts Guide to the Zombie Apocalypse』)です。


ゾンビ映画にはコメディ調のものも多いですが、
この作品もホラーコメディの映画になっています。



冴えない高校生のボーイスカウト3人組がゾンビと戦うというストーリーですが、
ボーイスカウト3人組がアメリカ映画によく出てくるおバカなキャラだとか、
下ネタの多いコメディ調とか、
ゾンビ映画としての恐怖感を味わうよりも気楽に楽しめる内容になっています。



コメディ調なのでゾンビ映画のグロさやホラー感はあまり味わえないですが、
それでも少しはハラハラ感を味わいながら笑える作品なので、
それなりに楽しめる内容です。
特に後半の展開はスピード感があり、サバイバルアクションとして楽しめました。



あと、出演者として、主役は、その後スピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』でも主演していたタイ・シェリダン、
それと、あとで知ったのですが、アーノルド・シュワルツェネッガーの長男パトリック・シュワルツェネッガーも出ていたのは意外でしたね。



王道ゾンビ映画ファンには物足りない内容かも知れないですが、
楽しく気軽に楽しみたい人にはおすすめできる作品です。




評価 ★★★★





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2024年06月24日

ゾンビ・サファリパーク

監督⇒ スティーヴ・バーカー

脚本⇒ ポール・ガーステンバーガー

製作⇒ ニック・ギロット、カール・リチャーズ、シャーロッテ・ワルス

出演者⇒ ダグレイ・スコット、ジェシカ・デ・ゴウ、マーティン・マッキャン



公開⇒2015年



イギリス映画





まだまだゾンビ映画が続きます。今回は『ゾンビ・サファリパーク』(原題『The Rezort』)です。


人類によって孤島に隔離されたゾンビがスポーツとして狩られている世界を舞台としていて、

島のセキュリティシステムがトラブルを起して、解放されたゾンビが宿泊客を襲うというパニック映画ですが、

まず、ゾンビをサファリパーク化しているところが斬新なアイディアだと思います。

『ジュラシック・パーク』シリーズのゾンビ版と言える内容ですが、

違うところは、この作品では観光客がゾンビを銃でハンティングするという点で、

そこも発想が面白いですね。



それから、この映画では、ゾンビになったばかりだと速く走れて、

時間が経つと動きが遅くなって歩くゾンビになるという点が目新しいところでした。

蘇ったばかりのゾンビが全力疾走で襲ってくるので、そこはスリル満点です。



あと、意外にまじめな社会派的なメッセージ性のある内容になっていて、

良い意味で裏切られる内容でした。

ゾンビ映画の中では良作だと思います。




評価 ★★★★






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2024年06月22日

デッド・フライト

監督⇒ スコット・トーマス

脚本⇒ スコット・トーマス、マーク・オンスポー、シドニー・イワンター

製作⇒ デビッド・ショーシャン

製作総指揮⇒ デビッド・ショーシャン、スコット・トーマス、グレン・タケット

出演者⇒ デビッド・チサム、クリステン・カー、ケビン・J・オコナー、デレク・ウェブスター、デイル・ミドキフ、エリック・アヴァリ
、リチャード・タイソン




ビデオ化⇒ 2007年



アメリカ映画




今回もゾンビ映画です。

タイトルは『デッド・フライト』(原題『Flight of the Living Dead:Outbreak on a Plane』)。

飛行中の旅客機の中が舞台になるホラーアクションです。



悪天候の中を飛行中のジャンボジェット機。

その貨物室内の特殊コンテナには、臓器を生き返らせる細菌を投与された女性科学者が眠っていて、

それが乱気流の衝撃でフタが開いてしまい、ゾンビ化した女性科学者が現われて、乗客乗員を襲い、

噛まれた人たちも次々とゾンビ化していき、機内はパニックに陥ってしまうという内容の映画ですが、

なかなか面白いゾンビ映画でした。




まず、逃げられない飛行中の旅客機の中でゾンビに襲われるという恐怖感、緊迫感の高まりがいいですね。

内容的にコミカル感もありますが、それでもゾンビ映画としてのホラー感もしっかり描かれており、

ゾンビも素早く動くタイプなので、さらに恐怖感と緊迫感を盛り上げています。

しかも、ゾンビとの戦いだけでなく、墜落の恐怖や絶望感も加わり、さらに緊迫感が高まっています。



また、登場人物たちもそれぞれに個性的なキャラクターが多く、

これが物語を面白くしていますし、退屈しない展開になっていました。




飛行中の飛行機の中にゾンビが現われて生きている人間を襲うというシーンは『ワールド・ウォーZ』にもありますが、

製作されたのは『デッド・フライト』の方が早いので、こちらが元祖と言えます。



B級感ある作品ですが、その中ではかなりの良作だと思いますし、楽しめる映画でした。




評価 ★★★★






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2024年06月19日

デイ・オブ・ザ・デッド

監督⇒ スティーヴ・マイナー

脚本⇒ ジェフリー・レディック

原案⇒ ジョージ・A・ロメロ

製作⇒ ボアズ・デヴィッドソン、ジェームズ・デューデルソン、ランドール・エメット、ジョージ・ファーラ、M・ダル・ウォルトン三世

製作総指揮⇒ ダニー・ディムボート、ロバート・デューデルソン、アヴィ・ラーナー、ポール・メイソン、ジョーダン・ラッシュ、トレヴァー・ショート、デヴィッド・ヴァロッド

出演者⇒ ミーナ・スヴァーリ、ヴィング・レイムス、ニック・キャノン、スターク・サンズ、マイケル・ウェルチ、アナリン・マッコード、イアン・マクニース





公開⇒ 2008年



アメリカ映画




今回紹介する映画は前回に続いてゾンビ映画で、『デイ・オブ・ザ・デッド』です。

この作品はジョージ・A・ロメロ監督作品の『死霊のえじき』(原題『Day of the Dead』)のリメイク版と銘打たれているのですが、

どこがリメイクなのか?と思えるほど、オリジナル版の片鱗もないほどかけ離れた内容になっていて、

別にリメイク版と言わなくてもいいのではと思える作品でした。



オリジナル版とは似ても似つかぬ内容で、B級映画といえばそうなんですが、

私はそれが却って面白かったですね。



まず、オリジナル版は暗い雰囲気のシリアスな内容でしたが、

このリメイク版はコミカルなところもあって、アクションシーンも派手で、

ストーリー展開もスピーディーで中だるみすることもなく、

ノンストップサバイバルアクションとして、観ていて楽しい内容でした。



そして、オリジナルではノロノロ歩いていたゾンビがこの映画では走るゾンビになっていて、

とにかく動くのが速く、超絶スピードで天井を這い回るほどの素早さで、

それがアクションシーンの面白さになってました。



また、生前の習慣やクセなどがゾンビになっても引き継がれて、

ベジタリアンだった人物がゾンビになっても肉食しないので人間を襲わないという設定になっているのも目新しい着想だと思います。



それから、リメイク版の『ドーン・オブ・ザ・デッド』にも出ていたヴィング・レイムスがこの作品にも出演してますが、

早々にゾンビになって退場してしまったのが意外でしたね。



以上、私はこのリメイク版の面白さはオリジナル版を超えていると思ってますが、

ネットで評価を調べてみると、「面白かった」「楽しかった」という高評価もあるものの、

否定的な酷評もあります。



酷評の内容としては「天井を這い回るなんて、そんなのはゾンビじゃない」とか

オリジナル版のようなシリアスさがないなどがありますが、

それはリメイク版と銘打っているのが原因じゃないかと思います。

オリジナル版のような内容を期待した人が、あまりにかけ離れた内容に幻滅して酷評しているんじゃないでしょうか。



リメイク版じゃなく、完全オリジナル作として公開していれば、

オリジナル版との違いに幻滅することもないんじゃないかと思いますね。




評価 ★★★★






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2024年06月13日

ドーン・オブ・ザ・デッド

監督⇒ ザック・スナイダー
 
脚本⇒ ジェームズ・ガン

原作・オリジナル脚本⇒ ジョージ・A・ロメロ

製作⇒ マーク・エイブラハム、エリック・ニューマン、リチャード・P・ルビンスタイン

製作総指揮⇒ アーミアン・バーンスタイン、トーマス・A・ブリス、デニス・E・ジョーンズ

出演者⇒ サラ・ポーリー、ヴィング・レイムス、ジェイク・ウェバー、メキ・ファイファー、マイケル・ケリー




公開⇒ 2004年


アメリカ映画




今回のお気に入り映画はゾンビ映画の『ドーン・オブ・ザ・デッド』です。

この作品はゾンビ映画の生みの親、ジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』(原題『Dawn of the Dead』)のリメイク版ということなんですが、

主人公たちが大型ショッピングモールに立てこもるところがオリジナルと同じというくらいで、

あとは別にリメイク版と言わなくてもいいのではないかと思えるようなストーリーでした。




それで、感想なんですが、面白さは断然このリメイク版の方が面白いです。

オリジナル版を超えてるだけでなく、ゾンビ映画の中でも以前紹介した『ワールド・ウォーZ』の次くらいに面白かったですね。




面白さの要因としては、何と言っても「走るゾンビ」にあります。

オリジナル版のゾンビは「歩くゾンビ」で動きがモタモタしていましたが、

このリメイク版では全速力で走って人間を襲ってくるので緊張感と恐怖感が格段に違います。




ただ、科学的に考えるなら、生き返った死者(科学的にはあり得ないですが)が

あんなにエネルギッシュに走り回れるのかと疑問に思ってしまいますし、

ロメロ監督のゾンビのようにノロノロ動く方があり得そうだとは思いますね。

とはいっても、映画的には走るゾンビの方がより恐怖感が高まって面白いのは確かです。




途中、ショッピングモール内に立てこもっている場面では少々中だるみするところはありますが、

全体的にスピード感のある展開で見応えがありました。




ちなみに、出演者のヴィング・レイムスは『ミッション・インポッシブル』シリーズで知られていますが、

いくつかのゾンビ映画にも出ていて、ゾンビ映画ではおなじみの俳優ですね。


また、主演の女優サラ・ポーリーは、これまで知らなかったんですが、

監督や脚本家でもあり、映画賞を受賞した作品もいくつかあり、

新しいところでは去年の第95回アカデミー賞では監督と脚本を担当した『ウーマン・トーキング 私たちの選択』が

脚色賞を受賞したそうで、すごい才能を持っている女優さんですね。


あと、このリメイク版には、オリジナル版に出演していたケン・フォリー、スコット・H・ライニガー、

トム・サヴィーニの3人がカメオ出演しています。

最初観た時は気づかず、2回目観た時わかりました。




なお、走るゾンビが出てくるゾンビ映画の元祖はこのリメイク版の『ドーン・オブ・ザ・デッド』だとしているネットメディアがいくつかありますが、

生成AIで調べると「映画史における走るゾンビは、『ナイトメア・シティ』(1980)や『バタリアン』(1985)からはじまり、

その後『28日後…』 (2002)、『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004)など2000年代のゾンビホラー作品では主流となった」

とあります。

私の記憶でも、1985年公開の『バタリアン』ですでに走るゾンビが出ていたので、本作品が走るゾンビの元祖ではないと思います。



とはいえ、全速力で疾走して襲ってくるゾンビの恐怖はこのリメイク版が格段に上だと思いますし、

走るゾンビの元祖のように思われるだけのインパクトがありましたね。





評価 ★★★★





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2024年06月06日

フライト・ゲーム

監督 ⇒ ジャウム・コレット=セラ

脚本⇒ ジョン・W・リチャードソン、クリス・ローチ、ライアン・イングル

製作⇒ ジョエル・シルヴァー、アンドリュー・ローナ、アレックス・ハインマン

製作総指揮⇒ スティーヴ・リチャーズ、ロン・ハルパーン、オリヴィエ・クールソン、ハーバート・W・ゲインズ、ジェフ・ワドロウ

出演者⇒ リーアム・ニーソン、ジュリアン・ムーア、スクート・マクネイリー、ミシェル・ドッカリー、ネイト・パーカー、ジェイソン・バトラー・ハーナー、アンソン・マウント


公開⇒2014年


アメリカ映画




今回のお気に入り映画はアクションスリラー『フライト・ゲーム』(原題『Non-Stop』)です。

飛行中の旅客機の中で、正体不明の犯人から「指定の口座に1億5000万ドル送金しなければ、20分ごとに機内の誰かを殺害する」

という脅迫メールを受け取った主人公の航空保安官が謎に包まれた犯人を捜査してゆく中、

犯人の罠によって主人公自身が犯人ではないかと疑われながらも姿の見えない犯罪者と戦うという内容ですが、

この設定とストーリー、前回紹介した『トレイン・ミッション』に似たような感じだなと思ったら、

監督も主演俳優も同じですね。

この作品が先で『トレイン・ミッション』が後になります。



『トレイン・ミッション』は走行中の列車の中での事件で、

この作品では飛行中の旅客機の中という違いがあっても、

どちらも乗客の主人公が走行中の乗り物の中で事件に巻き込まれ、

謎の犯人と対決してゆくというストーリー展開になっていて、

この作品もサスペンスが高まってゆく展開が素晴らしかったです。



サスペンスだけでなく、アクションシーンも素晴らしく、

この作品でもリーアム・ニーソンの激しいアクションがすごいなと思いました。



そして、『トレイン・ミッション』と同じく、全員が怪しく見える緊張感、

ハラハラドキドキの展開に予想外の犯人、

そしてリーアム・ニーソンのかっこよさなどなど、

この映画もあまり期待してなかっただけに意外な面白さに満足できた作品でした。




評価 ★★★★★





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2024年05月29日

トレイン・ミッション

監督⇒ ジャウム・コレット=セラ

脚本⇒ バイロン・ウィリンガー、フィリップ・デ・ブラシ、ライアン・イングル

原案 ⇒ バイロン・ウィリンガー、フィリップ・デ・ブラシ

製作 ⇒ アンドリュー・ローナ、アレックス・ハインマン

製作総指揮⇒ マイケル・ドライヤー、フアン・ソラ、ジャウマ・コレット=セラ、ロン・ハルパーン、ディディエ・ルプファー

出演者⇒ リーアム・ニーソン、ヴェラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、ジョナサン・バンクス、サム・ニール


公開⇒ 2018年


アメリカ・イギリス・フランス合作映画




今回のお気に入りの映画はリーアム・ニーソン主演のサスペンス・アクション映画『トレイン・ミッション』(原題『The Commuter』(通勤者の意))です。

この作品は近年公開されているんですが、テレビで放送されるまで全然知りませんでした。


知らない映画だったので期待せずに観たんですが、これがなかなかの掘り出し物というか、

久々にいい映画を観たという得した気分になれた作品でした。



会社をリストラされた主人公のリーアム・ニーソンが 帰宅途中の電車の中で謎の女性と出会い、

そこから次々と謎の連続で、家族も人質に取られて、知らず知らずに事件に巻き込まれてゆくというストーリーなんですが、

このサスペンスの高まりが素晴らしく、先が読めない展開に退屈するところもなく、最後まで観てしまいました。



しかもサスペンスだけでなく後半ではアクションシーンへと続いていきますが、

当時60歳代のリーアム・ニーソンが激しいアクションもこなしているのがすごいですね。



年寄りなのになんでこんなに強いんだと思ってたんですが、

元警察官ということなのでなるほどと納得できました。

見応えある映画を観たあとは気持ちいいです。



評価 ★★★★★





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2024年05月24日

ワールド・ウォーZ

監督⇒ マーク・フォースター

脚本⇒ マシュー・マイケル・カーナハン、ドリュー・ゴダード、デイモン・リンデロフ

原案⇒ マシュー・マイケル・カーナハン、J・マイケル・ストラジンスキー

原作⇒  マックス・ブルックス

製作⇒ ブラッド・ピット、デデ・ガードナー、ジェレミー・クライナー、イアン・ブライス

製作総指揮⇒ デヴィッド・エリソン、デイナ・ゴールドバーグ、ティム・ヘディントン、グレアム・キング、ポール・シュウェイク、ブラッドフォード・シンプソン

音楽⇒ マルコ・ベルトラミ

出演者⇒ ブラッド・ピット、ミレイユ・イーノス、ダニエラ・ケルテス、ジェームズ・バッジ・デール、ファナ・モコエナ

公開⇒ 2013年

アメリカ映画



長くブログを放置してましたが、久々に映画の感想を書いてみます。

今回はゾンビ映画の『ワールド・ウォーZ』です。



主演はあのブラッド・ピット。

ブラッド・ピットがゾンビ映画に出演するとは意外でした。

ゾンビ映画のようなホラーには出ないのだろうと思ってたので驚いたものです。

しかもプロデュースまでしているので、本人も乗り気の映画だったようです。



私はゾンビ映画といえば以前はあまり関心がありませんでした。

昔、ゾンビ映画の開拓者と言われるジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』(原題『Dawn of the Dead』)と

『死霊のえじき』(原題『Day of the Dead』)を観たことがありますが、

グロテスクなばかりで内容的にあまり面白いとは思わなかったので関心がなかったのです。



それが、以前このブログにも書いた日本製ゾンビ映画の『カメラを止めるな!』を観てから考えが変わったんです。

『カメラを止めるな!』はゾンビ映画の王道ではなく、ひねった内容でしたが、

他のゾンビ映画も観てみたいと思うようになり、YouTubeを観てみると、ゾンビ映画が有名無名合わせてたくさん見つかり、

それからはゾンビ映画にハマってしまい、ひまがあれば片っ端から観ていきました。



まあ、ほとんどのゾンビ映画はB級以下の今ひとつな内容ばかりでしたが、

それでもいくつかは繰り返し観たいと思える作品もありました。



そんな中で今回紹介する『ワールド・ウォーZ』はゾンビ映画の中では最高傑作だと思います。

まず出てくるゾンビの数がハンパなく、しかもダッシュで走って生きてる人間に襲いかかるので恐怖感も高まります。



ロメロ監督のゾンビは歩くタイプでしたが、その後、走るゾンビ映画が主流になってきた感があります。

本作のゾンビもすごい速さでダッシュしてくるので緊迫感にあふれていますし、

特に航空機の中でゾンビが襲ってくる場面は見どころになってますね。



それに、ゾンビ映画の中にはコメディ調の作品も多いんですが、

本作では大真面目なシリアスなゾンビ映画に仕上げているので、

現実にはあり得ない話だと分かっていても、恐怖感と緊迫感がいやが上にも高まって見入ってしまいました。



それにしても、先にも書きましたが、ゾンビ映画はショートムービーも合わせて今も続々と作られているのを見ると、

「ゾンビ映画は不滅だ」とさえ思ってしまいます。




評価 ★★★★★







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2019年12月10日

カメラを止めるな!

監督⇒上田慎一郎

脚本⇒上田慎一郎

原作⇒和田亮一、上田慎一郎

製作⇒市橋浩治

音楽⇒鈴木伸宏&伊藤翔磨、永井カイル

出演者⇒濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ、長屋和彰、細井学、市原洋、山ア俊太郎、大沢真一郎、竹原芳子(どんぐり)

2017年公開

日本映画




すっかりごぶさたしてしまいましたが、

久しぶりに面白いと思った映画があったので書いておきます。



前から書こう書こうと思っていてついつい遅くなってしまいましたが、

今回の映画感想は、昨年(2018年)話題になった日本映画の『カメラを止めるな!』です。



国内外のいろいろな映画賞を受賞していて、

ネットでも話題になってましたが、

その頃は私は特に関心もなく、

見てみたいとは思ってませんでしたね。



それが今年の春にテレビ放映されたので見てみたら、

これが予想に反してすごく面白いじゃないですか。

いや、面白すぎるじゃないですか。



ネタバレになるので内容を詳しく書けませんが、

放映を見てみるまではありきたりのB級ホラー映画だと思ってましたし、

見ている時も、途中までは普通のゾンビ映画だと思ってました。



それが、途中から予想外の展開になり、

それからが面白かったですね。



先入観をひっくり返すような展開に

なるほどこれなら絶賛されて話題になるはずだと、

いい意味で裏切られた気分でした。



『最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる』という

本作品のキャッチコピーの意味が、

見終わってからわかりましたね。



無名の監督、無名の出演者、低予算の映画で

これだけ面白い作品に仕上がってるんですから大したものです。



この映画は映画の内容そのものだけでなく、

映画の権利関係について揉めていることも話題になってましたが、

それも今年(2019年)に解決したようで、

心おきなく楽しめる作品になったのはよかったです。



評価 ★★★★★









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2018年02月03日

独裁者

監督⇒チャールズ・チャップリン

脚本⇒チャールズ・チャップリン

製作⇒チャールズ・チャップリン

音楽⇒メレディス・ウィルソン

出演者⇒チャールズ・チャップリン、ポーレット・ゴダード、ジャック・オーキー、ヘンリー・ダニエル

1940年公開

アメリカ映画


今回の特選映画は、チャップリンの『独裁者』です。

チャップリンの映画は昔テレビでいくつか見ましたが、

その中で最も面白く気に入っているのがこの作品です。



この映画は、当時台頭してきたヒトラー率いるナチス・ドイツを風刺し批判した内容になっていて、

本来ならシリアスな内容の作品になるところを、

チャップリンはコメディに仕立て、笑える映画にしています。



チャップリンはヒトラーをモデルにしたヒンケルという独裁者と

一般市民のチャーリーという2役をこなしてますが、

特に独裁者ヒンケルをコミカルに演じていて笑えました。



しかし、単純に笑える映画ではなく、ヒトラーとナチスをモデルにしているため、

笑いの中にシリアスな場面もあり、考えさせられる内容になってますね。




当時アメリカの映画界ではチャップリン、ハロルド・ロイド、バスター・キートンが「世界の三大喜劇王」と呼ばれていたそうですが、

その中でキートンのコメディ映画は体を張って笑いに徹する「スラップスティック・コメディ」、

ロイドのはドタバタ喜劇というただ笑える内容だったのに対して

チャップリンのコメディ映画は笑いの中に哀愁を感じさせる作品になっているのが特徴ですね。



この映画でも独裁者による恐怖政治やユダヤ人への迫害が風刺的に描かれていて、

ただ単純には笑えない内容になってます。


特に最後の辺りの演説の場面は、

チャップリンが訴えたかったメッセージが込められていて

感動の場面でした。


評価 ★★★★





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2018年01月24日

アウトレイジ

監督⇒北野武

脚本⇒北野武

製作⇒森昌行、吉田喜多男

製作総指揮⇒北野武

出演者⇒ビートたけし、椎名桔平、加瀬亮、三浦友和、國村隼、杉本哲太、塚本高史、中野英雄、石橋蓮司、小日向文世、北村総一朗

2010年公開

日本映画


久しぶりに日本映画の感想を書いてみます。

北野武監督の話題作だった『アウトレイジ』です。

北野武つまりビートたけしの映画は国際的に評価が高く、

特にヨーロッパで人気が高いようですが、

実は私は今まで見たことがありませんでした。



映画のジャンルとして、興味のない分野なので見る気がなかったからなんですが、

この作品も興味がなくて、今まで見たことがありませんでした。



それが、今までのヤクザ映画や任侠映画と違って

キャッチコピーが「全員悪人」となっているので、

一度は見てみたいと思い、YouTubeにフルでアップされていた動画があったので、

それを見てみたら、いやこれがなかなか面白いじゃありませんか。



キャッチコピーにあるように、確かに全員悪人ばかりで正義の味方が出てきません。

そこがまず映画の約束事を覆す面白さでしたね。



とにかく内容としてはバイオレンスの連続なんですが、

どこかで「もはやギャグ映画」と評されてるのを見たことがあり、

確かにギャグ映画とも言えるほど徹底してましたね。



そして、悪人役で出ている俳優が意外でした。

椎名桔平、加瀬亮、三浦友和、國村隼、小日向文世、北村総一朗と、

この人たちはヤクザや悪人が似合わないキャラクターでしたから、意外でしたね。



私としては、これだけ徹底した悪人ばかりのヤクザ映画なら、

極悪顔の六平直政や、小沢仁志・小沢和義兄弟も出してもらいたかったです。



私にとってはたけし映画の中で最も面白い映画だと思ってますが、

ただ、カンヌ国際映画祭では不評だったようです。

やはりバイオレンスなところが受けなかったようですね。



この作品の続編として『アウトレイジ ビヨンド』『アウトレイジ 最終章』と制作公開されてますが、

私はこの第1作が最も面白かったです。



評価★★★★





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2018年01月12日

スパイダーパニック

監督⇒ エロリー・エルカイエム

脚本⇒ エロリー・エルカイエム、ジェシー・アレクサンダー

原案⇒ エロリー・エルカイエム、ランディ・コーンフィールド

製作⇒ ディーン・デヴリン、ブルース・バーマン

製作総指揮⇒ ローランド・エメリッヒ、ピーター・ウィンザー、ウィリアム・フェイ

音楽⇒ ジョン・オットマン

出演者⇒ デヴィッド・アークエット、カリ・ウーラー、スコット・テラ、スカーレット・ヨハンソン、ダグ・E・ダグ

公開⇒ 2002年

アメリカ映画


あけましておめでとうございます(遅くなりましたが)。

長い間ブログを放置してましたが、

また面白いと思った映画の感想を書いてみようと思います。




今回は巨大なクモの大群が人間を襲うという、

B級感たっぷりのモンスターパニック映画です。

B級映画ですが、製作総指揮がローランド・エメリッヒなんですね。

エメリッヒだと何か壮大なSF映画を思い浮かべてしまいますが、

本作品では監督ではないのであまり関係ないとは言えますね。

しかしB級とは言え、これがなかなか面白い。




産業廃棄物の有害物質汚染によってクモが巨大化したという設定ですが、

そういう理由づけはどうでもよくて、

とにかくさまざまな種類のクモがゾロゾロ出てきて

人間を襲ってくるというところが見どころです。




そして、アメリカ映画によくある、

深刻な内容を深刻ぶらずにコメディにしてるところもいいですね。




巨大クモのCGもよくできていて、本物のようなリアリティと迫力がありました。

私のお気に入りのシーンは、巨大なハエトリグモが

バイクで逃げる人間たちを追いかけて襲うシーンですね。

スピード感もあって、飽きない面白さでした。




私はクモは苦手でクモの姿を見るだけでゾゾっとしてしまうんですが、

気味悪いながらも楽しんで見てました。


評価 ★★★★






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2017年04月02日

シンドバッド七回目の航海

監督⇒ ネイザン・ジュラン

製作⇒ チャールズ・H・シニア

脚本⇒ ケネス・コルブ

特撮⇒ レイ・ハリーハウゼン

音楽⇒ バーナード・ハーマン

出演者⇒ カーウィン・マシューズ、 キャスリン・グラント、トリン・サッチャー、アレック・マンゴー、リチャード・アイアー、ハロルド・カスケット、アルフレッド・ブラウン、ナナ・デ・ヘレラ

公開⇒ 1958年

アメリカ映画


今回紹介する『シンドバッド七回目の航海』は、

『アルゴ探検隊の大冒険』や『タイタンの戦い』などと同じく、

神話や伝説などを基にした冒険ファンタジー映画です。



この映画の見所は何と言っても特撮を駆使した映像の素晴らしさにあります。

本作品の特撮を担当しているのがレイ・ハリー・ハウゼンで、

人形のコマ撮り撮影(ストップ・モーション撮影)による怪物の造形と動き、

それに演技している俳優との合成が自然で実に見応えがありました。



もちろん最新のコンピューターグラフィックスの自然さにはかないませんが、

コマ撮りならではの少しギクシャクした動きが実にユーモラスでもあり味わいがあるんですね。



この作品にはそんなコマ撮りによる怪物として、

1つ目巨人のサイクロプス、双頭の巨大鷲のロック鳥、ドラゴンなど様々な怪物が登場しますが、

どれもよくできています。



中でも主人公と骸骨戦士との剣戟シーンが圧巻で素晴らしかったですね。

この骸骨戦士との剣戟シーンは、後の『アルゴ探検隊の大冒険』でも使われていますが、

コマ撮りの人形による骸骨と人間が戦っている合成映像がとても自然で見応え充分です。



もちろん特撮だけが素晴らしかっただけでなく、

ストーリー展開もテンポがよくて話の中に引き入れられました。

1958年の映画ですが、古さを感じさせない物語の展開と面白さが堪能できる作品です。


評価 ★★★★





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posted by エイタロー at 22:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 冒険ファンタジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月11日

ミスト

監督⇒ フランク・ダラボン

製作⇒ フランク・ダラボン、リズ・グロッツァー

製作総指揮⇒ リチャード・サパースタイン、ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン

脚本⇒ フランク・ダラボン

原作⇒ スティーヴン・キング『霧』

音楽⇒ マーク・アイシャム

出演者⇒ トーマス・ジェーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ローリー・ホールデン、ウィリアム・サドラー

公開⇒ 2007年

アメリカ映画


今回の私の特選映画は『ミスト』です。

ミストとは霧のことですが、同じく霧を扱ったホラー映画としては、

ジョン・カーペンター監督の『ザ・フォッグ』がありました。



『ザ・フォッグ』では霧の中から100年前に殺された亡霊たちが現われて、

犯人の子孫たちに復讐してゆくという内容でしたが、

本作品はホラー小説の帝王と称されるスティーヴン・キングの原作が基になっていて、

ある田舎町が激しい嵐に見舞われたあと霧に覆われ始め、

その霧の中から異次元の怪物たちが現われて住民たちに襲いかかってくるという内容になっています。



異次元の怪物たちが出てくるという映画にはコメディタッチのものもよく見かけますが、

この映画にはコメディの要素が全然なく、

極限の恐怖を描いたすごくシリアスな内容になっています。



なぜ霧が現われてそこから怪物たちが現われてくるのかという説明は、

映画の中では、軍が異次元を観察する「アローヘッド計画」なるものを実験しているという噂話でほのめかす程度で、

はっきりとは明かされません。



そういう全く原因が分からないままに怪物から襲撃され追い詰められてゆく住民たちの緊迫した状況と

秩序を失い混乱してゆく様を延々と続けてゆくのがこの映画なんです。



それにしてもこの映画、キャッチコピーが「映画史上かつてない、震撼のラスト15分!」と銘打たれてますが、

これは大げさではなく、確かに衝撃的な結末です。

救いようがないというか、観終わった後、やるせない気分になってしまいました。


 
ハリウッド映画ではどんな怪物が襲いかかってきても必ずと言っていいほど、

スーパーヒーローが現われて怪物を撃退し最後はハッピーエンドで終わるという、

観終わった後スカッとするような映画が多いんですが、本作品は違ってました。

本当に救いようがない後味の悪い終わり方になってます。



『ダイハード2』で強靱な肉体と凶器のような技を持つ凶悪なテロリストを演じていたウィリアム・サドラーも、

本作品では平凡な中年オヤジでしかありませんでした。



私は原作は読んでないんですが、本作品の結末は原作とは違うそうで、

原作よりも最悪の結末になっているそうなんです。

実際、ラストは衝撃を受けました。



しかし、やるせない気分になったといってもこの映画がつまらなかったというわけではありません。

この作品自体はよく出来ていますし、構成もストーリー展開も上質な作品だと言えます。

何よりも、観ていて恐怖に追い詰められるような気分になりすごいサスペンスとスリル感を味わいました。

怪物の造形もよくできてましたし、俳優の迫真の演技もすごい迫力があり、

それらが相まって現実にはあり得ないような状況なのに真に迫ったリアリティがありました。



B級C級のホラー映画やSF映画の中には、俳優がせっかく迫真の演技をしていても、

低予算の怪物の造形がチャチ過ぎてリアリティがなく、

却ってその落差によって滑稽さしか感じられないものも多いんですが、

本作品に出てくる怪物たちのクオリティは高く、

怪物の中の巨大クモは顔がマンがチックなのにも関わらず実在感があり、

俳優の迫真の演技との落差もなくすごいリアリティがありました。

なので、作品自体は高く評価できます。

それにしてもこの映画は本当に「映画史上かつてない、震撼のラスト15分!」でした。


評価 ★★★★★






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ラベル:ホラー SF 洋画
posted by エイタロー at 01:58| Comment(0) | TrackBack(0) | SFホラー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月03日

コンスタンティン

監督⇒ フランシス・ローレンス

製作⇒ ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ、アキヴァ・ゴールズマン、ベンジャミン・メルニカー、ローレン・シュラー・ドナー、アーウィン・ストッフ、マイケル・E・ウスラン

製作総指揮⇒ ギルバート・アドラー、マイケル・アギーラ

脚本⇒ ケヴィン・ブロドビン、フランク・A・カペロ

原案⇒ ケヴィン・ブロドビン

原作⇒ ジェイミー・デラノ、ガース・エニス

音楽⇒ クラウス・バデルト、ブライアン・タイラー

出演者⇒ キアヌ・リーブス、レイチェル・ワイズ、シャイア・ラブーフ、ティルダ・スウィントン、ピーター・ストーメア、ジャイモン・ハンスゥ

公開⇒ 2005年

アメリカ映画


ご無沙汰しておりましたが、久々に映画の感想を書いてみたいと思います。

今回はキアヌ・リーブス主演のホラーアクション映画です。

私はこういうジャンルが大好きで、SFやファンタジーと共に最も映像としての面白さが表現される分野ではないかと思っています。



主演のキアヌ・リーブスがこの作品で演じているのはジョン・コンスタンティンという悪魔祓い師です。

このコンスタンティンなんですが、余命いくばくもない肺ガンのヘビースモーカーで、

かつて自殺未遂をしたことがあるため地獄行きが確定している身であり、

何とか地獄行きを回避するため、人間界に潜む悪魔たちを地獄に送り返しては天国行きのポイントを稼いでいるという設定になっていて、

この設定がなかなか面白いですね。



そしてこの主人公はヒーローではあるんですが、

自殺未遂をして地獄行きが確定しているとか末期の肺ガンなのにタバコをやめられないなどというところが、

完璧なヒーローではなく、弱さを持ったヒーローで、そこが何とも切なさを感じてしまいます。




この映画ではカトリック的世界観が描かれていて、

神や天使、悪魔、それに天国、地獄に、自殺者は地獄に堕ちるという考え方が基になっていて

かなり宗教臭さのあるのが特徴ですが(バンパイア映画などもそうですが)、

そういう宗教的なところが却ってファンタジーものやホラーものの世界観に面白さが与えられていると言えますね。



そしてコンスタンティンが悪魔と戦うときに使う聖なるショットガンとかメリケンサックとか「ドラゴンの息」という火炎放射器とか、

こういった小道具も面白さを盛り上げていました。



さらに終盤の物語の急展開が見ごたえ充分でしたね。

とにかくこの映画、『スピード』と同じくキアヌ・リーブスのはまり役でした。



続編も作ってもらいたいところです。

あと、すべてが解決した最後のところで、

コンスタンティンがタバコではなくガムを噛むところでは、

ヘビースモーカーが禁煙に成功したというオチで、

何だかホッとした気分になりましたし、

最後の最後、長いエンドロールの後でも救われた気分になる場面がありますね。




評価 ★★★★







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2016年12月04日

宇宙戦争

監督⇒ スティーヴン・スピルバーグ

製作⇒ キャスリーン・ケネディ、コリン・ウィルソン

製作総指揮⇒ ダミアン・コリアー、ポーラ・ワグナー

脚本⇒ ジョシュ・フリードマン、デヴィッド・コープ

原作⇒ H・G・ウェルズ

音楽⇒ ジョン・ウィリアムズ

出演者⇒ トム・クルーズ、ダコタ・ファニング、ジャスティン・チャットウィン、ティム・ロビンス、ミランダ・オットー、 モーガン・フリーマン(ナレーター)

公開⇒ 2005年

アメリカ映画



この映画はイギリスの作家 H・G・ウェルズのSF小説が原作で、

私は小学生の時、学校の図書館から借りて読んだことがありますし、

高校生の頃には、完訳の原作を書店で買って読みました。

その時は、そのリアリティあふれる描写に引き込まれて読み、

この小説を映画化したら面白い映画になるだろうなと思ったものでした。



後になって知ったんですが、実は1953年に映画化されていて、

後にテレビで放映されたとき見ています。

その時見た印象としては、火星人が操縦している兵器が原作にある三本足で歩き回る巨大な機械ではなく、

空中に浮かぶ空飛ぶ円盤型の宇宙艇になっていて、

内容的にあまり面白いとは思いませんでしたね。



そして2005年にスティーヴン・スピルバーグ監督によって作られたのが本作というわけなんですが、

時代と場所が現代のアメリカになり、

人物設定も違っている以外は原作の大筋通りで、

私が一番見たかった火星人の戦闘機械が原作にある通り、

三本足で歩き回る巨大な乗り物になっていて、

それが迫力があって見応えありましたね。



やはりコンピューターグラフィックスによるリアリティと迫力が昔の映画とは比べものにならない見応えを感じさせますね。



ただ、この映画は最初見たときはそれほど面白いと思わなかったんですが、

再放送や録画したものを何回か観ていくうちに面白いと思うようになっていきました。



それは原作に近い内容にしているためか、

『インデペンデンス・デイ』のような地球人が派手に宇宙人を攻撃して勝利するという胸のすくような内容ではなく、

最後は原作にもあるように、火星人が地球人によって壊滅させられるのではなく、

細菌に感染して死滅してしまうという地味な終わり方になっているため、

最初は面白みが感じられなかったのだろうと思います。



それから、主人公にはトム・クルーズよりも無名の俳優にした方が良かったと思いますね。

映画の主人公は妻に離婚され、子供達からは軽んじられるダメな父親として描かれていますが、

トム・クルーズというとついスーパーヒーローというイメージがあるので、

無名の俳優を起用した方が平凡な一市民というイメージに合うのではないかと思うんですがね。



ただ、今までのイメージを変えて平凡なダメ親父役を演じたトム・クルーズの演技も良かったとは思ってます。

ちなみに、この作品が作られた2005年には、

この作品を含めて同じ原作を基にした映画が3本も作られているそうです。



つまり、同じ年に同じ原作の映画が3本も作られたというわけなんですね。

珍しいですね。



他の作品は観てないのでどうなのかわかりませんが、

本作品は、私が昔読んだ原作のイメージに近かったので、満足した作品でした。

また、この映画は、2.11アメリカ同時多発テロの衝撃とそれへの思いが伝わってくる作品です。



評価 ★★★★







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2016年11月27日

ジュラシック・ワールド

監督⇒ コリン・トレボロウ

製作⇒ フランク・マーシャル、パトリック・クロウリー

製作総指揮⇒ スティーヴン・スピルバーグ、トーマス・タル

脚本⇒ リック・ジャッファ、アマンダ・シルヴァー、コリン・トレボロウ、デレク・コノリー

原案⇒ リック・ジャッファ、アマンダ・シルヴァー

原作⇒ マイケル・クライトン (キャラクター原案)

音楽⇒ マイケル・ジアッチーノ

出演者⇒ クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、ジュディ・グリア、ローレン・ラプクス、ジェイク・ジョンソン、ジョディ・リン・ブロックストン、ヴィンセント・ドノフリオ、ニック・ロビンソン、ケイティ・マクグラス、B・D・ウォン、ブライアン・ティー、イルファーン・カーン、タイ・シンプキンス

公開⇒ 2015年

アメリカ映画



今回紹介する映画は、去年公開された『ジュラシック・ワールド』です。

この作品は『ジュラシック・パーク』、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』、『ジュラシック・パークIII』から続くシリーズの4作目になります。



私は2作目も3作目も第1作の面白さには敵わないと思ってたんですが、

4作目の本作は意外に面白かったですね。

と言うか、この作品が第1作よりも面白いくらいでしたね。



もともと恐竜を扱った映画は私は大好きなんですが、

この作品はコンピューターグラフィックスによる恐竜のリアルな造形にしてもストーリー展開にしても素晴らしかったです。



登場する恐竜の主なものは、ヴェロキラプトル、ティラノサウルス、アンキロサウルス、アパトサウルス、プテラノドンなどおなじみの恐竜も多いですが、

それらに混じって、モササウルスという体つきがアザラシやオットセイのような手足がヒレのようになっている巨大な肉食海棲爬虫類(厳密には恐竜の種類ではないそうです)が出てましたね。

手なずけて、パーク内でイルカショーのような餌やりで見せ物にしているシーンがなかなか圧巻でした。



そして本作で特徴的なのが、インドミナス・レックスという恐竜で、

これは実在した恐竜ではなく、この映画ではティラノサウルスのDNAを基本に、

ヴェロキラプトル、アベリサウルス、カルノタウルス、マジュンガサウルス、ルゴプス、ギガノトサウルス、テリジノサウルスなどのDNAを加えて遺伝子組み換えによって誕生させたという設定になっています。



それぞれの恐竜のDNAにより、その特徴を具えていてすごく獰猛で高い知能も持つという最強の恐竜という設定になっているので、

より面白みのある内容になってました。



この映画の面白さは先にも書いたように、

CGによる恐竜のリアルな造形と動きにあります。



こういう映画を見ると昔の恐竜映画は見れないと思ってしまうくらいで、

本当に映画の技術も進化したものですね。



もちろんいくら恐竜の造形や動きが素晴らしくても、

それだけではそれほど面白いと思える映画にはなりません。



やはり練られたストーリーがあって超絶面白いと思える作品に仕上がるわけです。

この作品はそんな超絶面白い映画だと言えます。

続編も制作される予定ということなので、今から楽しみにしています。




評価 ★★★★★








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2016年11月20日

ジャックと天空の巨人

監督⇒ ブライアン・シンガー

製作⇒ ニール・H・モリッツ、デヴィッド・ドブキン、パトリック・マコーミック、オリ・マーマー

製作総指揮⇒ リチャード・ブレナー、マイケル・ディスコ、トビー・エメリッヒ、アレックス・ガルシア、ジョン・ジャッシニ、ジョン・リッカード、トーマス・タル

脚本⇒ ダレン・レムケ、クリストファー・マッカリー、ダン・スタッドニー

原案⇒ ダレン・レムケ、デヴィッド・ドブキン

音楽⇒ ジョン・オットマン

出演者⇒ ニコラス・ホルト、エレノア・トムリンソン、スタンリー・トゥッチ、イアン・マクシェーン、ビル・ナイ、ユアン・マクレガー

公開⇒ 2013年

アメリカ映画



久しぶりに気に入った映画の作品評を書いておきます。

今回は『ジャックと天空の巨人』です。



この映画も特に期待していたわけではなかったんですが、

テレビの映画劇場で見たら意外に面白かったですね。



何と言ってもコンピューターグラフィックスの巨人の造形がなかなか良かったですね。

巨人たちのいかにも野蛮で野卑なオヤジっぽさが見ていても楽しかったです。



ストーリーもテンポが良くて、最後まですんなり見れました。

家族で楽しく見る映画としてオススメの映画だと思います。



評価 ★★★★







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posted by エイタロー at 17:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 冒険ファンタジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする