2014年08月05日

ミスター・ノーボディ

監督⇒ トニーノ・ヴァレリ

製作⇒ クラウディオ・マンシーニ

原案⇒ セルジオ・レオーネ、フルヴィオ・モルセラ、エルネスト・ガスタルディ

脚本⇒ エルネスト・ガスタルディ

音楽⇒ エンニオ・モリコーネ

出演⇒ テレンス・ヒル、ヘンリー・フォンダ、レオ・ゴードン、ピエロ・ルッリ、ジャン・マルタン、ジェフリー・ルイス、R・G・アームストロング



公開⇒ 1973年



イタリア/フランス/西ドイツ映画




マカロニウエスタン後期の作品『ミスター・ノーボディ』。

何とセルジオ・レオーネが原案者の1人だそうで、

見てみると、これがなかなか面白かったですね。



内容はコメディ調で、主演のテレンス・ヒルがフランコ・ネロ似のニヒルさとは打って変わった飄々とした役柄を演じてました。

私は見てませんが、この作以前にも『風来坊』という同じく

マカロニウエスタン作品でも同じような役柄で人気があったそうなので、

こういうコメディ調も似合ってるようですね。



それとハリウッドの大物俳優ヘンリー・フォンダが伝説の凄腕ガンマン役で出てました。

マカロニウエスタンにはこれで2回めの出演になります。



前回は極悪人役でしたが、この作品では悪を倒す方で出てました。

随所に笑える場面があり、テレンス・ヒルが敵と戦うところも実にアイデア満載のギャグが効いていて楽しめました。



しかし、コメディ調ではあっても西部劇としての筋立ては本格的で、

ヘンリー・フォンダが1人で150人の強盗団と対決する場面は圧巻でしたね。



衰退期のマカロニウエスタンですが、

セルジオ・レオーネ最後のマカロニ・ウエスタンとも言われる、

コメディ路線で成功した名作です。




評価 ★★★★




英語版




イタリア語版


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2014年07月20日

西部悪人伝

監督⇒ フランク・クレイマー

製作⇒ アルベルト・グリマルディ

脚本⇒ フランク・クレイマー、レナート・イッツォ

音楽⇒ マルチェロ・ジョンビーニ

出演⇒ リー・ヴァン・クリーフ、ウィリアム・バーガー、フランコ・レッセル、リンダ・ヴェラス、ペドロ・サンチェス、ジャンニ・リッツォ、アントニオ・グラドーリ



公開⇒ 1970年



イタリア/スペイン映画




久々にマカロニウエスタンのお気に入りを書いておきます。

リー・ヴァン・クリーフ主演の『西部悪人伝』。

この映画でもリー・ヴァン・クリーフが黒尽くめのスーツで決めていて、

クールさと渋さがよかったですね。



そして“西部の007”とでも呼ぶべきアクション・ヒーローとして描かれていて、

”007”に出てくるような 銃身交換式ライフルやグリップからも撃てる7連発デリンジャー、

それに楽器に仕込まれたバンジョー銃など、

秘密兵器のような奇想天外なアイデア満載の銃が出てきて面白かったですね。



しかも、ヒーローといっても勧善懲悪の正義の味方ではないダークヒーローぶりも面白さの要因になってましたし、

脇役も個性的な人物が登場して派手なアクションを展開し、

ストーリーもひねりが効いていて娯楽作として楽しめました。



マカロニウエスタン全盛期を過ぎた末期の作品ですが、

アイデアで勝負したマカロニウエスタンらしい作品でした。




評価 ★★★★
 
 




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2014年05月03日

怒りの荒野

監督⇒ トニーノ・ヴァレリ

脚本⇒ エルネスト・ガスタルディ

音楽⇒ リズ・オルトラーニ

出演者⇒ ジュリアーノ・ジェンマ、リー・ヴァン・クリーフ

公開⇒ 1967年

イタリア映画


久しぶりにお気に入りマカロニウエスタンを紹介します。
この映画では何と! マカロニウエスタンの2大スター、ジュリアーノ・ジェンマとリー・ヴァン・クリーフが初共演してW主演しています!
簡単に言えば、ジュリアーノ・ジェンマが正義の側でリー・ヴァン・クリーフが悪役となるわけですが、そんな単純なストーリーではなく、娼婦の子として住民から蔑まれていたジェンマ扮するスコットが、クリーフ演じる流れ者の凄腕ガンマンであるタルビーにあこがれて弟子入りし、ガンマンとしての腕を磨いてゆき、タルビーの片腕として活躍するようになりますが、やがてタルビーの横暴さに不信感を抱くようになり、恩人を射殺されたことでついに怒りを爆発させ、師弟が対決するというストーリーになっています。
見どころとしては、まず何と言っても、リー・ヴァン・クリーフの存在感が大きいですね。あの渋い演技が素晴らしいです。殺し屋と馬上決闘する場面も素晴らしかったです。
そして、いつもは明るく朗らかに爽やかなヒーローとしての役柄を演じているジェンマが、ここではそれらを抑制し、虐げられたことへの怨念、そこから這い上がろうとする執念を表現していました。
この映画で特徴的だったのが、タルビーがスコットに教える「ガンマン十戒」でしたね。
そして、クライマックスで師弟が対決する時、スコットが教えられたとおり「ガンマン十戒」の一つ一つを実践しながら刺客を倒してゆき最後にタルビーを射殺するところはなかなかうまい作りだと感心しました。
ジュリアーノ・ジェンマとリー・ヴァン・クリーフという2大スターの個性がぶつかり合う人間ドラマとして見応えのある作品でした。


評価 ★★★★






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2014年04月13日

荒野の七人

監督⇒ ジョン・スタージェス

製作⇒ ジョン・スタージェス

脚本⇒ ウイリアム・ロバーツ

音楽⇒ エルマー・バーンスタイン

出演者⇒ ユル・ブリンナー、スティーブ・マックイーン、ホルスト・ブッフホルツ、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、ブラッド・デクスター 、ロバート・ヴォーン、イーライ・ウォラック

公開⇒ 1960年

アメリカ映画



私は西部劇はマカロニウエスタンばかりで西部劇の本場アメリカ製西部劇はめったに見ないんですが、この映画だけは別で、有名な映画でもありテレビ放映された時に観てみました。
この映画のオリジナルが黒澤明監督の『七人の侍』だったというのは後になって知ったんですが、確かに黒澤作品を基にしているだけあって面白かったですね。
ちなみに、同じ黒澤作品を基にした『荒野の用心棒』は無断でリメイクされてますが、こちらの作品は正式に翻案権を得てリメイクされた映画だそうで、『七人の侍』を観たユル・ブリンナーが感銘を受けて製作したオマージュ作という位置づけの作品だそうです。
それで、本作では日本の戦国時代から西部開拓時代のメキシコに舞台を移し、毎年刈り入れの時期に盗賊に作物を強奪されていたメキシコの農民たちが7人のガンマンを雇って盗賊団と戦うというストーリーになっています。
7人のガンマンと農民たち対盗賊団との戦いも見応えがありましたが、ガンマンたちの個性がそれぞれ特徴的に描かれていて、特にユル・ブリンナーのあの黒づくめのファッションと少々キザなところのある冷静沈着な人物像や、スティーヴ・マックイーンの軽妙なところもある役どころに、ロバート・ヴォーンのクールさ、チャールズ・ブロンソンの無骨だが人柄の良い人物像やジェームズ・コバーンの寡黙で孤高な人物像など、それぞれにキャラクターの面白さがありました。それと、イーライ・ウォラックの盗賊の首領役は似合ってましたね。
これらの出演者は当時はユル・ブリンナー以外はほとんど無名に近かったと思いますが、その後大スターになっていった俳優が多く、豪華メンバーでしたね。
オリジナルの『七人の侍』と比較して重厚さはないですが、それなりに楽しめる内容の作品でした。
この映画も続編がいくつか作られてますが、やはりこの第1作が最も面白かったですね。


評価 ★★★







DVD)荒野の七人 特別編(’60米) (MGBNG-16023)

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posted by エイタロー at 20:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 西部劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月22日

荒野の1ドル銀貨

監督⇒カルヴィン・ジャクソン・パジェット(ジョルジオ・フェローニ)

脚本⇒ カルヴィン・ジャクソン・パジェット、ジョージ・フィンリー

出演者⇒ ジュリアーノ・ジェンマ(モンゴメリー・ウッド名義)、イヴリン・スチュアート、ピーター・クロス

音楽⇒ ジャンニ・フェリオ

公開⇒ 1965年

イタリア、フランス映画 


今回はまたジュリアーノ・ジェンマの主演作で、マカロニウエスタンの代表作と謳われている作品です。
この映画では、弟の復讐を果たすためと危険が迫る妻を救うために町を牛耳る顔役を倒す元南軍兵士という役柄でした。
見どころはたくさんありますが、中でも、北軍の捕虜になっている時に切られて銃身が短くなっているピストルとか、弟からもらってお守り代わりに胸ポケットに入れていた1ドル銀貨で命が助かるとか、伏線が後で活かされるストーリーになっていて、巧みな話の作りにさすがだなと感嘆しました。
そして、何よりも主演のジュリアーノ・ジェンマの爽やかさに、軽やかな身のこなしと鮮やかな銃さばきのアクションが最大の面白さでした。
また、哀愁を帯びた主題曲も素晴らしかったですね。


評価 ★★★★★







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posted by エイタロー at 16:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 西部劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする