監督⇒ 黒澤明
製作⇒ 本木荘二郎
脚本⇒ 黒澤明、橋本忍、小国英雄
音楽⇒ 早坂文雄
出演⇒ 三船敏郎、志村喬、加東大介、木村功、千秋実、宮口精二、稲葉義男、土屋嘉男、高木新平
公開⇒ 1954年
日本映画
日本映画として最も有名な映画と言っても過言ではなく、
黒澤作品としても最高傑作との声が高いのが『七人の侍』です。
アメリカでも『荒野の七人』シリーズとしてリメイクされており、
海外からの評価も高く、スピルバーグやフランシス・コッポラ、ジョージ・ルーカスなど海外の著名な映画監督も影響を受けているそうですが、確かに見応えのある映画でしたね。
私としては黒澤作品の中では『用心棒』の方が面白かったのですが、
それでもこの『七人の侍』もその重厚さ、リアルさにおいて素晴らしい作品でした。
後半での七人の侍と農民たちが野武士の一団と戦う場面では、
それまでの時代劇の歌舞伎の影響を受けた様式化されたチャンバラではなく、
リアルな殺陣によってより現実感が伝わり圧巻の戦闘シーンとなっていました。
しかもこの映画の魅力はそれだけではなく、
前半の、農民が盗賊化した野武士を撃退するために侍たちを雇い、
戦いに備える場面でも、雇われた侍たちと農民たちの個性や人間模様が丹念に描かれていて、
そこから野武士の一団との戦いへと徐々に雰囲気を盛り上げていくところも見応えがあり、
面白かったですね。
まあ、カッコよさから言えばリメイク版の『荒野の七人』のガンマンたちの方がカッコいいですが、
このオリジナルの方が圧倒的な重厚さとリアルさがあり、
3時間45分という長い上映時間でも飽きの来ない面白さでした。
評価 ★★★★
『七人の侍』のBlu-rayはこちら
2014年06月08日
2014年03月30日
椿三十郎
監督⇒ 黒澤明
製作⇒ 田中友幸、菊島隆三
脚本⇒ 黒澤明、菊島隆三、小国英雄
出演者⇒ 三船敏郎、仲代達矢、加山雄三、田中邦衛、団令子、小林桂樹
公開⇒ 1962年
日本映画
今回紹介する映画は黒澤明監督の痛快時代劇第2弾『椿三十郎』です。『用心棒』の続編的作品とされていて、主人公・椿三十郎役を三船敏郎が同じ素浪人のキャラクターで演じてました。
『用心棒』でも笑いの場面が随所にありましたが、この作品では更にコメディの要素が大きく、笑える場面が多かったですね。
本作品はそれでも単なるコメディ映画ではなく、基本は本格的な時代劇で、殺陣のシーンには目を見張らせるものがありました。
面白さからいうと私は『用心棒』の方が面白かったのですが、それでも本作品には、三船敏郎が1人でまたたく間に30人斬りしてしまうシーンや、ラストの仲代達矢扮する半兵衛との決闘シーンなど、映画史上に残る名場面がありました。その点からもこの作品は記憶に残る映画でした。
なお、この映画は2007年にリメイクされてますが、私は黒澤・三船コンビ以外の『椿三十郎』には関心がないのでリメイク版は見てません。
評価 ★★★★
椿三十郎 Blu-ray
製作⇒ 田中友幸、菊島隆三
脚本⇒ 黒澤明、菊島隆三、小国英雄
出演者⇒ 三船敏郎、仲代達矢、加山雄三、田中邦衛、団令子、小林桂樹
公開⇒ 1962年
日本映画
今回紹介する映画は黒澤明監督の痛快時代劇第2弾『椿三十郎』です。『用心棒』の続編的作品とされていて、主人公・椿三十郎役を三船敏郎が同じ素浪人のキャラクターで演じてました。
『用心棒』でも笑いの場面が随所にありましたが、この作品では更にコメディの要素が大きく、笑える場面が多かったですね。
本作品はそれでも単なるコメディ映画ではなく、基本は本格的な時代劇で、殺陣のシーンには目を見張らせるものがありました。
面白さからいうと私は『用心棒』の方が面白かったのですが、それでも本作品には、三船敏郎が1人でまたたく間に30人斬りしてしまうシーンや、ラストの仲代達矢扮する半兵衛との決闘シーンなど、映画史上に残る名場面がありました。その点からもこの作品は記憶に残る映画でした。
なお、この映画は2007年にリメイクされてますが、私は黒澤・三船コンビ以外の『椿三十郎』には関心がないのでリメイク版は見てません。
評価 ★★★★
椿三十郎 Blu-ray
2014年03月15日
用心棒
監督⇒ 黒澤明
製作⇒ 田中友幸、菊島隆三
脚本⇒ 黒澤明、菊島隆三
出演⇒ 三船敏郎、仲代達矢、山田五十鈴、司葉子、加東大介、河津清三郎、志村喬
音楽⇒ 佐藤勝
公開⇒ 1961年
日本映画
今回は黒澤明監督の痛快時代劇『用心棒』を紹介します。あのマカロニウエスタン『荒野の用心棒』のオリジナルになる作品だそうで、私は『荒野の用心棒』を見てから随分後になって本作品を見たんですが、確かに大まかな話の筋は同じと言っていいですね。ただ、面白さから言うと私としては『荒野の用心棒』の方が面白かったです。もちろん、それでもこの映画の面白さが失われたわけではありません。
この作品の面白さは、まず、物語として単に善玉と悪玉の対決という単純な話ではなく、ヤクザの2大勢力が牛耳る宿場町で、ふらりと現れた素浪人が両方の勢力に用心棒として売り込みつつ、巧みに相討ちを仕組んでいくという内容で、しかもうまく仕組んだつもりが見破られて袋叩きに遭い、そこから再起して敵を倒すというひねったストーリーにあります。
それから殺陣の場面も、伝統的なチャンバラ映画の様式化した殺陣ではなく、リアルな動きの殺陣を見せているところも見応えのある面白さでしたね。
それについて話が逸れますが、私はテレビの『必殺シリーズ』が好きで、シリーズの初期の作品は面白いと思ってたんですが、後期の作品は殺しの場面が様式化してしまってリアルさがなくなり面白くなくなってしまったということがあります。この『用心棒』にはそういう様式化した殺陣を排除したことで現実的な殺陣の面白さがありましたね。
また、この作品には緊迫した場面だけでなく笑える場面が随所にありますが、これなども後のマカロニウエスタンに影響を与えていると思います。
そしてこの作品の魅力は物語の面白さだけではなく、三船敏郎演じる主人公の素浪人のキャラクターと演技力にもあります。三船敏郎の素浪人役ははまり役でしたね。
マカロニウエスタンにもその他の海外の映画にも影響を与えた黒澤監督は巨匠と呼ぶにふさわしいですし、そしてこの作品は、確かに世界のクロサワと世界のミフネと呼ばれるだけの価値がある映画でした。
評価 ★★★★
用心棒【期間限定プライス版】(DVD)
製作⇒ 田中友幸、菊島隆三
脚本⇒ 黒澤明、菊島隆三
出演⇒ 三船敏郎、仲代達矢、山田五十鈴、司葉子、加東大介、河津清三郎、志村喬
音楽⇒ 佐藤勝
公開⇒ 1961年
日本映画
今回は黒澤明監督の痛快時代劇『用心棒』を紹介します。あのマカロニウエスタン『荒野の用心棒』のオリジナルになる作品だそうで、私は『荒野の用心棒』を見てから随分後になって本作品を見たんですが、確かに大まかな話の筋は同じと言っていいですね。ただ、面白さから言うと私としては『荒野の用心棒』の方が面白かったです。もちろん、それでもこの映画の面白さが失われたわけではありません。
この作品の面白さは、まず、物語として単に善玉と悪玉の対決という単純な話ではなく、ヤクザの2大勢力が牛耳る宿場町で、ふらりと現れた素浪人が両方の勢力に用心棒として売り込みつつ、巧みに相討ちを仕組んでいくという内容で、しかもうまく仕組んだつもりが見破られて袋叩きに遭い、そこから再起して敵を倒すというひねったストーリーにあります。
それから殺陣の場面も、伝統的なチャンバラ映画の様式化した殺陣ではなく、リアルな動きの殺陣を見せているところも見応えのある面白さでしたね。
それについて話が逸れますが、私はテレビの『必殺シリーズ』が好きで、シリーズの初期の作品は面白いと思ってたんですが、後期の作品は殺しの場面が様式化してしまってリアルさがなくなり面白くなくなってしまったということがあります。この『用心棒』にはそういう様式化した殺陣を排除したことで現実的な殺陣の面白さがありましたね。
また、この作品には緊迫した場面だけでなく笑える場面が随所にありますが、これなども後のマカロニウエスタンに影響を与えていると思います。
そしてこの作品の魅力は物語の面白さだけではなく、三船敏郎演じる主人公の素浪人のキャラクターと演技力にもあります。三船敏郎の素浪人役ははまり役でしたね。
マカロニウエスタンにもその他の海外の映画にも影響を与えた黒澤監督は巨匠と呼ぶにふさわしいですし、そしてこの作品は、確かに世界のクロサワと世界のミフネと呼ばれるだけの価値がある映画でした。
評価 ★★★★
用心棒【期間限定プライス版】(DVD)